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台湾便り 泡烏龍茶 [お茶の時間]

昨日台北に出たついでに有記名茶に寄りました。いつもは町の朝市で「阿里山茶もどき」を買ってお茶を濁していますが、ちょっと美味しい烏龍茶を飲みたい時や、人に贈る時などはできるだけしっかりしたお店で買うことにしています。「有記名茶」は創業1890年の老舗ですが、ご主人の王さんがとても気さくで、親切に説明しながら色んなお茶を飲ませてくれるので気に入っています。

お店に入ると、王さんのお嬢さんが丁寧に対応してくれました。いくつか茶葉を選んで、さて淹れてもらおうとしていると、ご主人が寄って来て、
   「ところで、南管って知ってます?」
というので、
   「はい、王心心さんの表演や南管劇を何回か観に行ったことがありますよ。」
というと、嬉しそうな顔をして、
   「それじゃお茶は後にして二階に行きましょう」
と、腕も引っ張らんばかりに誘ってくれました。お茶の準備をしていたお嬢さんも、呆気にとられてきょとんとしています。

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二階に上がると一段高くなった舞台で、南管の演奏をしていました。中央に拍板と朗誦をする歌い手、楽器は左から三弦、琵琶、洞簫(ドンシャオ:縦笛)と胡弓(二弦)の簡素なものです。伝統を受け継ぐ人が少なく、洞簫を演奏している方は98歳のご高齢だそうです。
   「南管は好きですか?」
と王さんに聞かれ、
   「詩が閩南語なのでティャボー(意味は分かりません)ですけど、音楽の雰囲気が好きです」
というと、
   「やぁ、それでいいんですよ。私らだって全部が分かるわけじゃないですから」
と屈託のない笑顔で答えてくれました。毎週土曜の午後2:00-5:00に演奏をしているそうです。

さて肝心のお茶のほうですが、文山包種茶(清茶)と奇種烏龍茶を求めました。文山包種茶は台湾茶発祥の地である台北市南部の文山区でとれた清茶で、発酵度が10%以下と低く緑茶に近い感じの爽やかな香りです。奇種烏龍茶は文山包種茶と同じ茶葉を、福建省の武夷岩茶を作る古来の製法で焙煎したものです。

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さて、今日は奇種烏龍茶を淹れてみました。封を切ると馥郁とした香りがします。包種茶に比べると、少し茶色が勝っています。

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ほんのり淡い蜂蜜のような香りのする一泡から、二泡、三泡と重ねるごとに湯色は深みを増し、それと共に少しずつ渋さの重みが増して来ます。面白いですねぇ。日本ではお茶請けは和菓子が多いですが、烏龍茶の時は花梅や金柑などが良く合います。オレンジ色のは良く見かける普通のもの、黒いのは若い時に採って燻製にした烏梅に似たものです。

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値が張るものでなくても、簡単な道具があれば、美味しい烏龍茶が楽しめます。皆さんも試してみてはいかがでしょう。

【お店の情報】
『有記名茶』 台北市重慶北路二段64巷26號 TEL 02-2555-9164
圓環から重慶北路を少し北に歩き、朝陽茶葉公園を左折するとすぐ左にあります。
日曜はお休み、夜は8時まで

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